吉野家の牛丼がアメリカ産牛肉にこだわる訳

安全・安心のアメリカ産牛肉

 

 

最後に。「うまさ」にこだわった上で、安心・安全とされるアメリカ産牛肉についてですが、米国産牛の肉用の牛のと畜頭数は年間2,900万頭で、30ヶ月齢以下です。(*2003年現在)

 

 

生まれた子牛を12ヶ月前後放牧で飼育し、約350kgの素牛(フィーダーキャトル)を先ず生産し、肥育場に導入。6ヶ月前後穀物で肥育し、肉用牛として食肉加工業者に販売します。つまり18~20ヶ月齢でのと畜がほとんどです。

 

 

牛の成長のピークでと畜するため(牛はピークを過ぎると脂肪ばかりがついてしまい、牛肉としての価値が低下してしまいます)であり、できる限り均一で安価な牛肉を大量生産するために、数百頭毎の群れで肥育を行い、大きなフィードロットの飼養頭数は数万頭規模(中には10万頭を超える)飼育システムとなっています。

 

 

更にエンドユーザーの要望により、部分肉でのスムーズな取り引きが可能となり、と畜から部分肉までの製造およびその販売を行うミートパッカー(大手は1日のと畜製造規模が4,000頭以上の工場を複数所有)が10以上あり、加工場に搬入された生体牛を1頭ごと目視検査し、正常な牛のみをと畜。

 

 

また牛肉の安全条件である特定危険部位(SRM)の除去も行っています。以前のBSE問題の前にO157問題が社会問題化し、そのために徹底した衛生管理体制が敷かれています。

 

 

例えば、枝肉の洗浄は3回以上行っています。アメリカの工場は、と畜場とボーニングルーム(骨抜き・カット工場)が1つの建物の中にあるために、それぞれの分離が徹底され、作業員の往復も禁止、作業着・ヘルメットの色も変えています。

 

 

また、カット工場の温度は45(7℃)以下に規制されており、毎日の作業台・壁等の細菌検査を行っています。このように牛の飼育システム、と畜場・ボーニングルームでの衛生的生産管理システムが確立されています。